マーケティングの教科書を開くと、決まって「まずは市場規模(マーケット)を調査しましょう」なんて書いてあります。
でも、正直に言わせてください。 先に市場を見るという感覚では、絶対に人の心を揺さぶるものは作れません。
10年、法人営業の現場で「適正な利益」を追求するために奔走してきて確信しているのは、順番が真逆だということです。最初にやるべきは、市場調査のグラフを眺めることではなく、目の前にいる一人の顧客を、徹底的に、自身の主観を交えて見つめ抜くことです。
今回は、巷のノウハウ本には載っていない「本当に刺さるビジネス」の形作り方について、僕の哲学をシェアします。
なぜ「市場」から入ると、誰にも刺さらないのか?
データは嘘をつきませんが「感情」を持ちません。 市場規模がどれだけ大きくても、そこにいるのは「20代男性・都内在住」といった記号化された平均値です。
平均値に向けて作ったサービスは、誰にとっても「まぁまぁ悪くない」止まりになります。つまり、誰の熱狂も生めないということです。
ビジネスの厳しさはここにあります。競合がひしめく中で、100人中99人にスルーされる「普通のモノ」を作った時点で、その先にあるのは緩やかな死です。法人営業においても、個別の顧客ニーズを無視して「平均的な提案」を繰り返す営業マンは、一瞬で「景色の一部」として埋もれてしまいます。
まず顧客を深く知ること
僕が大切にしている感覚は、【圧倒的な顧客ファースト ➔ 市場】という順番です。
一人の顧客を深く知ることは非常にパワーが要ります。しかし、これはビジネスにおける「最初にすべき苦労(先行投資)」そのものです。
顧客を見て、ニーズを知る
まずは、目の前の顧客、あるいは過去の自分でもいいので、「この人が何に困っていて、何にハッピーを感じるのか」を徹底的に観察します。
このとき、営業として培ってきた「複数の視座」をフル回転させます。顧客の立場、その先の経営層の立場、あるいは現場の不満。統計的集計や抽象化された「データ」ではなく、その人の「生身の顔」が見えるレベルまで踏み込むことが、全ての出発点になります。
その後に、市場を「主観」で見る
顧客のニーズが掴めたら、初めて「市場」に目を向けます。ただし、ここで客観的なデータに流されてはいけない。 「この顧客の悩みって、実は同じように抱えてる人が多いんじゃないか?」と、自分の嗅覚(優先順位の判断)で市場を切り取っていくんです。
このステップを踏むことで、単なる「表面的なお悩み解決(顕在ニーズ)」を超えて、顧客自身も気づいていない「背景にある潜在ニーズ」に突き刺すビジネスの形が出来上がっていきます。
「司令塔」としての視座が、ビジネスに熱狂を生む
一人の顧客を喜ばせるという強い「主観」を持てれば、ビジネスの判断はブレなくなります。
自分がビジネスの司令塔として、何を最優先にすべきか。市場の平均値ではなく、目の前のあの人を救うために何が必要か。その視座が明確であれば、チームメンバーに対しても適切な指示が出せるようになります。
ガチガチのマーケティングロジックに縛られると、ビジネスは途端につまらなくなります。 数字を追う前に、まずは一人の人間を驚かせることに全力を注ぐ。その地道な「主観」の積み重ねの先にしか、本当に強いビジネスは生まれないと僕は信じています。
まとめ:ビジネスはもっとエモーショナルでいい
結論として、ビジネスを動かすのは冷徹な計算式ではなく、「目の前の人を喜ばせたい、驚かせたい」「これを形にしたい」という極めて個人的な熱量(エモーション)です。
データで抽出した「平均的な正解」に逃げるのではなく、たった一人を喜ばせるために働くこと。市場の記号を相手にするのではなく、体温のある顧客にあなたの主観で向き合うこと。
もっと自分の「主観」を信じて、ワクワクするような企みを楽しみましょう。

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