法人営業は誰でもできる。必要なのは才能ではなく「地道な3つの基本」だった

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急に営業に配属されたり、自分には「営業なんて向いてない」と諦めてしまっている方へ。

先に結論を書きます。法人営業で成果を上げるのに必要なのは、華麗に受注を勝ち取るプレゼン力でも、立板に水のごとく流暢に話す会話力でも、どんどん新しいアイデアが湧き出てくるビジネスセンスでもありません。

必要なのは、次の3つの地道な基本だけです。

  1. 地道な毎日の積み上げ・反復・PDCA
  2. 一段ずつパズルのように商談を組み立てる、地道さと論理思考力
  3. 社内外へのこまめなホウレンソウ(報連相)の繰り返し

どれも、社会人として当たり前のことです。全て地道で、すごく地味だと思います。

もちろん、冒頭に挙げたような天性の能力があれば更に活躍できるかもしれませんし、他者にはできない圧倒的な成果を上げるエリートセールスパーソンになれるかもしれません。

ですが、そんな能力が無くても、どの会社でも重宝されるくらいの1人前の営業マンには、誰でもなれるのです。

裏を返せば、それだけ、当たり前のことができない法人営業マンが多いということです。

法人営業に向いている人・向いていない人の違い

「自分は営業に向いてない」と言う人の多くは、向いていないのではなく、営業に必要な能力を勘違いしています。

よくある勘違いは、次のようなものです。

  • 人と話すのが得意でないと営業はできない
  • プレゼンが上手くないと受注できない
  • 押しの強さや度胸が無いとやっていけない

ですが、法人営業の現場で実際に差がつくのは、こういった先天的な性格や才能ではありません。差がつくのは、「当たり前のことを、当たり前に続けられるか」です。

例えば、約束した資料を約束した日に出す。商談の内容をその日のうちに記録する。分からないことを分からないまま放置せず、関係者に聞いて回る。どれも地味ですが、これを毎日続けられる人は意外と少ないのです。

逆に、本当の意味で法人営業に向いていないのは、才能が無い人ではなく、地道な繰り返しを「つまらない」「自分がやることではない」と切り捨ててしまう人だと思います。

向いているかどうかは、生まれつきでは決まりません。基本を続けるかどうかで決まります。

基本1: 地道な積み上げ

法人営業の成果は、基本的に行動・アクション量に比例します。

例えば、

  • リード、商談、新規訪問の量・件数
  • お客様へのセールスレター・ダイレクトメールの数
  • 日々それらを増やすための調査時間

等です。

的確なアクションの設定が必要ですが、それも関係者とのマメなホウレンソウで導き出すことができます。

大事なのは、「的確なアクション(KPI)」を最初に決めることです。闇雲に動いても成果には繋がりません。自分の担当顧客や市場に対して、今いちばん不足しているのはリードなのか、商談化なのか、既存顧客への深掘りなのか。上司や先輩、関係者と相談して、まず「何を増やすか」を決める。

的確なアクションさえ設定できれば、それを何も考えず毎日反復して行うだけで、成果に繋がります。

もう1つ、積み上げには副次的な効果があります。同じアクションを繰り返していると、「この顧客はこの話題に反応する」「この業界ではこの時期に予算が動く」といったパターンが見えてくることです。一足飛びにセンスを身につける方法は無くて、量をこなした人だけが、結果として質も手に入れるのだと思います。

基本2: 論理的な商談の組み立て

2つ目は、商談をセンスではなく手順で組み立てることです。

やることはシンプルで、

  1. 顧客の意思決定プロセスを把握する
  2. 把握したプロセス1つ1つ、つまりキーマンや意思決定の会議体で重視される点を押さえていく

奇抜な発想や深い洞察は必要無く、誰でも分かる事実を積み上げて、お客様の問いを明確化していくだけです。そして、それに対して1つ1つ答えを用意して当てていくだけ。

そのために、商談の早い段階で「誰が決めるのか」「何を基準に決めるのか」「いつまでに決めるのか」を確認しておくことが大切です。ここを曖昧にしたまま進めると、最後になって「実は上司の承認が必要で」「予算は来期で」という話が出てきて、商談が止まります。

逆に、プロセスが見えていれば、用意すべきものも明確になります。稟議で必要なのは、価格の根拠なのか、導入効果の試算なのか、他社との比較表なのか。相手の問いが分かれば、あとはそれに1つずつ答えを用意するだけです。商談は、当日の話術でひっくり返すものではなく、事前の組み立てでほぼ決まります。

顧客の意思決定の背景にある潜在ニーズの掴み方は、こちらの記事に書いています。

顧客を見る、ニーズの背景にある潜在ニーズを知る

ただしここでも地道さ・根気が必要で、例えば、費用・予算がポイントであれば、

  • 顧客の予算に合うよう、顧客側の要求・提供を削る
  • 顧客の予算に添えない理由を明示した上で、それを納得してもらうよう説明する

くらいしか、実はやることがありません。とてもシンプルです。

基本3: マメなホウレンソウ

社内を含むホウレンソウ(報連相)でも、同様に地道さ、マメさが必要です。

以前の記事「法人営業の嗅覚」でも書いた通り、案件や優先順位を嗅ぎ分ける嗅覚は、特殊能力でもなんでもなくて、

  • 営業マネジャー
  • 製品責任者
  • 先輩や同僚
  • 協業パートナー
  • 時には顧客先の現場担当者や責任者

等に、些細なことでもマメにホウレンソウし、意見を取り入れて作っていくものです。

これには2つの効果があります。

  • 商談、案件や優先度に対して、第三者的な、もしくは当事者としての意見やアドバイスがもらえる
  • 意見やアドバイスを言わせることで、当事者・関係者に引き込んだり、顧客先を自社びいきに寄せられるかもしれない

一石二鳥の効果を持つ地味で地道な積み重ねを、積極的に行いましょう。

ホウレンソウの詳細は別の記事に委ねますが、「特に変化無し」の報告でもOKです。些細な報告から、今日から始めてみましょう。

明日からできる基本動作チェックリスト

最後に、この記事の内容を「明日からできること」に落とすと、こうなります。

  • 自分のアクション量(訪問・連絡・提案の件数)を、まず記録し始める
  • 進行中の商談について「誰が・何を基準に・いつ決めるか」を確認し、曖昧なものを1件潰す
  • 「特に変化無し」でもいいので、関係者に1件ホウレンソウする
  • 今日の商談・活動を振り返り、明日のアクションを1つ決めてから終える

どれも今日からできることばかりです。特別な準備はいりません。

まとめ

法人営業は誰でもできます。必要なのは天性のプレゼン力や会話力ではなく、

  1. 地道な積み上げ
  2. 論理的な商談の組み立て
  3. マメなホウレンソウ

という、社会人として当たり前の基本を、毎日繰り返すことです。

当たり前のことを当たり前に続けられる人は、思っているよりずっと少ない。だからこそ、それができるだけで「重宝される1人前」になれます。

仕事の進め方全体を体系的に知りたい方は、こちらもどうぞ。

法人営業担当者の仕事の進め方

筆者プロフィールはこちら。

プロフィール

この記事のテーマを深める本

『営業のプロが新人のために書いた営業の本』(舟橋孝之)

新人営業向けに書かれた実践書で、明日からそのまま使える項目が多いのが特長です。太字を追うだけでも得るものがある構成で、目先の目標の置き方など、この記事で書いた「基本動作」の具体化に役立ちます。

『営業でいちばん大切なこと』(小林一光)

営業の入門書として定評のある1冊。プレゼンやクロージングのようなコントロールしにくい部分より、アポイントの数など自分でコントロールできる行動を増やす、という考え方が印象に残りました。この記事の「地道な基本」と通じる内容です。

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