中小企業に向いている人の特徴|向いていない人との違いを、10年働いた実感で書く

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「自分は中小企業に向いているのだろうか」

就職活動や転職で、そう迷う人は多いと思います。私自身、新卒で地方の中小企業に入り、法人営業として10年以上働いてきました。その実感から、中小企業で働くのに向いている人の条件を整理してみます。

先に結論を書くと、向いているのは次の3タイプです。

  1. 将来独立したい人
  2. 成長意欲が強い人
  3. 働き方を自分で作りたい人

そして、正直に書くと「向いていない人」もいます。この記事では両面を書きます。自分がどちら側か、判断材料にしてください。

前提: 中小企業のメリット・デメリット

向き不向きの前に、前提を整理しておきます。

中小企業でしか、または中小企業の方が、学べることや成長できることがあると思っています。一方で、中小企業では福利厚生が大企業に比べて薄い等の面もあります。

メリット

  • 若いうちから、1つの仕事の広い領域を任される: 分業が進んでいない分、企画から納品まで一通りを経験できます
  • 早い段階で、顧客の決裁者や経営層と直接やり取りできる: 大企業ならベテランの仕事を、若手のうちから担当することがあります
  • 人数が少ない分、自分の仕事の成果と影響が見えやすい: 「自分の仕事が会社を動かしている」実感が得やすい
  • 変化や意思決定が速い: 稟議の階層が浅く、提案が通りやすいのも特徴です

デメリット

  • 福利厚生や研修制度が、大企業に比べて薄いことが多い: 学ぶ環境は自分で作る前提になります
  • 待遇(給与・賞与)で、大企業に見劣りすることがある: 特に若いうちは差を感じやすいところです
  • 人が少ない分、1人あたりの担当範囲が広く、忙しくなりやすい: 良く言えば幅広く経験できる、悪く言えば何でも屋です
  • 会社の知名度・看板は期待できない: 「あの会社に勤めている」というステータスは得られません

このデメリット側を受け入れられるかどうかが、向き不向きの分かれ目です。

中小企業の良いところについては、こちらの記事にも書いています。
→ 中小企業の良いところ

中小企業に向いている人

将来独立したい人

若いうちから、1つのPJの広い領域を任されることがあります。また、自ら手を挙げてそのような立場に立候補することもしやすいと思います。

営業面から、開発や生産の納期・工程管理や、顧客への納品等、PJのコスト管理等、1つのPJにおける全ての仕事を経験することが可能です。

大企業だと分業が進んでいて、自分の担当は全体の一部、ということが多いはずです。中小企業では良くも悪くも「全部を自分で見る」経験ができます。

将来、独立して起業やフリーランスになりたい人にとっては、給料をもらいながら将来に向けての勉強にもなる、素晴らしい環境だと思います。

特に大きいのは、コストや利益といった「経営の数字」を肌感覚で掴めることです。独立すると、売上だけでなく、仕入れ・人件費・納期・資金繰りまで全部が自分の責任になります。中小企業でPJ全体を見ていると、その感覚を会社員時代に先取りできるのです。

成長意欲が強い人

以前の記事で書きましたが、特に中小企業×法人営業においては、自ら常に勉強することが必要です。

会社が用意している研修・教育プログラムだけでは不十分だからです。その代わり、「勉強したい、成長したい」という意欲のある人は、中小企業では成長しやすいのではないかと思います。

理由は単純で、任される仕事の幅が広いからです。学んだことが、すぐ実務で試せる。試した結果も、すぐ自分に返ってくる。この循環の速さは、中小企業の大きな魅力だと思います。

働き方を自分で作りたい人

良い面でも悪い面でもあるとは思いますが、勤怠制度がゆるかったり、制度を超えて社員1人1人に適した働き方を模索してくれる会社があります。

ここで言う「ゆるい」は、怠惰という意味ではありません。

「ゆるい働き方」と書くと、怠惰なイメージになってしまいますし、怠けることだけを目的に働くのでは、最終的なその人の「成功」には繋がりません。

ゆるい=制度が不十分だったり、制度を超越して個人を考えてくれるような会社で、自ら制度を改善していくことで、更に自分が働きやすい環境を目指しましょう、という意味です。

つまり、既に完成された制度の中で働きたい人ではなく、働き方を自分で作っていきたい人に向いています。継続的にそのような試みができる人は、気づけば会社で一目置かれる存在になっていると思います。

中小企業に向いていない人

逆に、次のような人は、中小企業だと苦労するかもしれません。正直に書きます。

研修・教育の手厚さを求める人

中小企業では、入社後の研修や教育制度が十分に整っていることは少ないです。OJTが基本で、「教えてもらう」姿勢のままだと、置いていかれます。

中小企業の研修・教育の実態については、こちらの記事にも書いています。
→ 中小企業の研修・教育面について

安定と福利厚生を最優先したい人

住宅手当、保養所、充実した退職金制度。こういったものを重視するなら、大企業の方が間違いなく有利です。中小企業で同じものを求めると、不満が溜まります。

安定を最優先する考え自体は、もちろん間違いではありません。ただ、その価値観なら大企業を選んだ方が幸せだと思います。

マニュアルと指示が無いと動けない人

中小企業では、仕事の進め方が整備されていない場面が頻繁にあります。「マニュアルが無いから分かりません」「指示が無いから動きません」では、仕事が進みません。

自分で考えて、まず動いてみる。それができるかどうかが問われます。

会社の看板や知名度で仕事をしたい人

「大手企業の名刺だから会ってもらえる」という環境に慣れていると、中小企業では苦労します。会社の看板が小さい分、会ってもらう理由も、選んでもらう理由も、自分の実力で作るしかありません。

逆に言えば、看板に頼らない実力がつくということでもあります。ただ、それを「やりがい」ではなく「しんどさ」と感じる人は、無理に中小企業を選ぶ必要はないと思います。

向き不向きチェックリスト

最後に、簡単な自己判定です。次のうち、当てはまるものが多いか数えてみてください。

  • 幅広い仕事を任されることに、ワクワクする
  • 勉強や自己研鑽を、自分から続けられる
  • 制度が無ければ、自分で作ればいいと思える
  • 会社の知名度より、自分の実力をつけたい
  • 将来、独立や起業も選択肢に入っている

3つ以上当てはまれば、中小企業に向いている可能性が高いと思います。逆に1つも当てはまらなければ、大企業や、制度の整った会社を検討した方がいいかもしれません。

それでも私が中小企業を選んだ理由

私は新卒で中小企業を選びました。理由は、将来自分でビジネスをやる時に必要な経験を、ハイスピードで積めると考えたからです。

10年以上働いた今の実感としても、その判断は間違っていなかったと思っています。詳しくは、こちらの記事に書いています。

→ 中小企業を選んだ理由(経験をハイスピードで積むために)
→ 中小企業を選んだ理由(就職活動時の考え)

向いているか迷ったら

ここまで読んで、まだ迷う人もいると思います。そういう時は、「中小企業一般」ではなく「その会社」で考えることをおすすめします。

同じ中小企業でも、社風も、任せ方も、待遇も、会社ごとにまったく違います。面接や会社訪問で見るべきは、規模ではなく「若手にどれくらい任せているか」「社員が自分で決められる範囲はどれくらいか」です。向いている人の条件に当てはまる会社かどうかは、そこでだいぶ見えてきます。

そしてもう1つ。向き不向きは、入ってから変わることもあります。私自身、最初から全部当てはまっていた訳ではありません。環境に合わせて変わっていく部分もあるので、「今の自分」で決めつけすぎなくても大丈夫だと思います。

まとめ

中小企業に向いているのは、

  1. 将来独立したい人
  2. 成長意欲が強い人
  3. 働き方を自分で作りたい人

逆に、研修の手厚さ・安定と福利厚生・マニュアルの完備を強く求める人は、大企業の方が合っていると思います。

大事なのは、中小企業が大企業の「下位互換」ではないということです。向き不向きがあるだけ。就職や転職で迷っているなら、会社の規模ではなく、自分のタイプで選んでみてください。

筆者プロフィールはこちら。
→ プロフィール

この記事のテーマを深める本

『明日、会社がなくなっても、自分の名前で勝負できますか?』(川上徹也)

会社の看板ではなく、自分の名前で仕事ができる状態を作っておく、という備えの本です。独立するかどうかではなく、そういう力を持つ人が多い会社は強い、という読み方もできます。中小企業で働く意味を考える材料になります。

『プロフェッショナルサラリーマン』(俣野成敏)

会社員としてプロの仕事の仕方を積み上げていく過程を書いた、読み応えのある1冊です。顧客の「ニーズ」と「ウォンツ」の違いなど、営業の実務にも直結する話が多く含まれています。

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